勉強の裏技87「最近の学校の英語教育」

小学校の英語が必修になりましたが、英語アレルギーの中高生が増えていることはご存じでしょうか?

長年英語を教えている立場から言うと、昔に比べて子供たちの英語能力は極端に二極化しているように感じます。

小さいころから英語教育に熱心なご家庭も増えました。そうしたご家庭の子たちはどんどん英語力がアップしています。学校の英語教育だけに任せているご家庭のお子さんの中には、自分が今何をやらされているのかがわからず、英語アレルギーになってしまっている子もたくさん見かけます。

恐らく親御さんのころは、学校で英語の文法をしっかり教えてもらったと思います。しかし今の英語教育は、小学校では英文法を教えません。中学校になると、「読む」「聞く」「話す」が昔よりも重視されているので、英文法を教える時間が減っています。

学校で教えてもらわない分を塾などで習わないと、「今自分が何をやっているのかわからない」という状態になってしまいます。

そうした状態が長く続くと、英語に対して拒絶反応が起きてしまい、何を説明しても全く頭に入らなくなります。

昔は学校で教えていることを塾でさらにくわしく教えていたので、学校で分からなかったことを「なるほど、やっとわかった!」と言ってもらえる場合も多かったのですが、今はどんなにわかりやすく説明しても何も耳に入らない状態の子が増えています。

避けることができないストレス状態が続くことで、最後には抵抗することさえしなくなることを「学習性無力感」といいます。

英語に対してこの「学習性無力感」におちいっている子たちが最近増えているのです。

英語ができる子達は楽しそうに授業を受けています。一方「何をやっているのかわからない」子達は、授業中ただ時間が過ぎていくのを待つばかり。

日本人の英語力は、これからどうなってしまうんだろうと思います。

文法ばかり教える今までの英語教育を変えようと、今のスタイルが確立されてきました。

しかし、日本人には日本人に合った英文法の覚え方を教えてあげるのも大切なことなのではないでしょうか?

私が中学生のころは、代名詞を「I my me mine …」とひたすらお経のように唱えて覚えさせられたものですが、今の学校ではそんなことを教えているひまはありません。

今の子たちがいつまでもわからない代名詞ベスト4は、「our」「us」「them」「him」 これらの代名詞はバラバラな順番で教科書に出てきます。意味も分からず、とにかくお経のように唱えて覚えさせられた自分の中学生時代の英語の先生に、いまさらながら感謝しています。

昔ながらの英語の勉強方法の中にも、役に立つやり方があるのかもしれませんね。