勉強のカラクリ 33「発達段階と勉強」

今の子たちは小さいころから大人のようなしゃべり方をします。生まれた時からネットで動画を見ているので、自然と上手なしゃべり方を学んでいるのでしょう。

しゃべり方だけではありません。まだ小学校にもいかないような小さい子が大人を気づかう様にしゃべったり、自分の要求を通すために甘ったれて媚びるような態度を見せます。

私たちが小さかった頃の昭和の子供とはだいぶ様子がちがいますね。

言動が大人っぽくても、本当に大人のように早い段階から成長しているわけではありません。

エリクソンは人間の一生を8つの発達段階に分けています。それぞれの発達段階に乗り越えるべき課題があり、その課題を克服することで大きく成長するとしています。そして、それぞれの発達課題をうまく乗り越えられなかった場合は、心理的な混乱や問題を引き起こす可能性があると考えました。

確かに、見た目は立派な大人でも子供のようにわがままな人もいますよね。小さい子の場合も同じで、大人のような言動をしていても、中身は小さな子供です。甘えたいときはたっぷり甘えさせ、𠮟るべき時は毅然として叱ってあげなくてはいけません。

買い物に行ったとき、2~3歳ぐらいの子供に、「なんであなたはそんなに自己中なの?」と叱っているお母さんを見かけました。

自己中とは、自己中心的という意味です。2~3歳くらいの子は、自己中でいて当然です。きっとそのお母さんは、大人のように話す子供に、大人と同じような対応を求めてしまったのではないでしょうか?

日本の教育は英語やプログラミングに熱心ですが、私は小さいころから心理学を教えるべきだと主張しています。

人間の心の仕組みを知ったら自分の心の動きの理由も探れるし、他人がどう思っているのかを考えることもできるからです。

大人になりきれない大人がイヤイヤ子育てをする姿を見ていたら、「子どもを産んで、育てたいなぁ」とは思いませんよね?

周りの人たちと穏やかに過ごし、子供を産み育てる時期に自然と子供を作りたいと思える社会になったらいいのになぁと思います。

勉強もその子の発達段階にピッタリ合った教え方をしてあげたいですね。