勉強の裏技 38

【親の心子知らず 子の心親知らず】

保護者の方とお子さんの間に立って両方の話を聞いていると、なかなかお互いの本音が伝わっていないなと感じる事があります。 

 親御さんはご自分の経験から「こうした方がいい」という思いでお子様に伝えますが、毎日同じことを言われるとどんなに素晴らしい事でも右の耳から左の耳へ聞き流すようになってしまいます。 のんびりしている姿を見ると「どうして勉強しないの⁉」と叱りたくなりますが、食べる時間や寝る時間、お風呂に入る時間など生活を維持するのに必要な時間以外をすべて勉強にあてるほど長時間の学習こそが成績アップにつながるとは言い切れません。 効率の良い勉強方法と、モチベーションこそが成績アップの秘訣です。 自分で計画的に学習し、ちょっと一息入れているときに「どうして勉強しないの⁉」と叱るのは、かえって逆効果になってしまうかもしれません。 

 子供は大人たちよりもデジタル機器の使い方が上手なので、様々な情報をゲットすることができます。昔ながらの根性論や効率の悪い勉強方法が悪影響しか与えないという事をよく知っています。 ただ、簡単に情報を手に入れられるので「何でも知っている」とカン違いしがちです。ちょっと指摘すればすぐに化けの皮がはがれてしまうような薄っぺらな知識を自慢げに語る子たちに対して「そう」「良く知ってるね」とは言いますが、そんなことは社会に出たとたんにあっという間にふみつぶされてしまうという現実を知りません。 さらに悪いことに、子供たちの社会では「何でも知っている」というマウントの取り合いがあります。「当然知ってる」というポーズの連鎖が小さな子たちまで広がって、「鬼滅の刃」がここまで大ブームになったのかもしれませんね。 

 「勉強」というと大人も子供もお互いにピリピリしてしまうのかもしれません。子供時代はあっという間です。「勉強」をいったん抜きにして、お互いに「今」を楽しめるようになると何か変わってくるのではないでしょうか?