勉強の裏技 56

【英検と英語力】

共通テストに英検を利用するかどうかが問題になってから、ますます英検に対する興味が高まってきているようです。 小学校でも英語が教科になったので、英会話教室や英語塾などに通う人も多くなってきました。そうした所では「英検合格」を目標にするところが多いですね。 

 5級、4級くらいだととにかく単語を覚えれば合格できます。ただ、文法を知らなくても単語力だけで合格してしまうのは、非常に問題だと思います。 英検は3級で中学3年程度、準2級で高校1年程度の英語力と言われています。しかし小中学生で「3級合格した!」「準2級合格した!」という子たちに入試問題を解いてもらうとほとんど得点できないというパターンをたくさん見ています。 それはおそらく英語の骨組みとなる文法がほとんどわからないまま、検定前の短期記憶でたくさん単語を暗記して合格したからなのではないでしょうか? 

 私は小学生のうちからしっかりと文法を教えます。英単語は自分の努力次第なので、さらに英語力を高めるためには「とにかくたくさん単語覚えなさい」とお話します。 さらに今はQRコードを読み込めば簡単にネイティブの発音を聞くことができるので、なるべくたくさん音声を聞かせ、その子にも発音してもらいます。 小学生の時からずっと英語を教え続けていた子がトップ校で英語の成績が上位になったという話を聞くと、「この指導方法はまちがっていなかった」と改めて感じます。 

 短期間で英検が合格になることはとてもうれしいと思いますが、それは本物の英語力なのでしょうか? 英検は日本独自の検定です。TOEICやTOEFLのように国際的に共通の評価を受けられるものではありません。また英検もTOEICも選択問題が多いので、単語さえ覚えればある程度合格できるという傾向があります。 「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能をみるIELTSなど世界で最も活用されている英語資格試験などの方が筆記試験でスペルチェックをするため、より正確な英語力を測ることができます。 

 その英語指導方法は本物の英語力につながるのか、一度立ち止まって冷静に考えてみる必要があるのではないでしょうか? 

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