勉強の裏技 81

【しっかりした大人になる】

「勉強さえできればよい」という子育てはダメだということは、ほとんどの人がわかっていると思います。しかし現実を考えると、勉強のサポートはしても「自分の足でしっかり立っていける大人に育て上げる」ことが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか?

高校の文化祭を見に行くと、それぞれの学校でカラーが全くちがうのがよくわかります。礼儀作法をしっかり教えている学校では、外部の人間に対しても気持ちよくあいさつしてくれます。自由度が高い学校では、「自分たちだけのお祭り」という気持ちが大きいので、外部の方が「お客様」であるという意識があまり感じられません。

私が教えている子の中には高校生の時からアルバイトをしている子たちもいるのですが、アルバイトの経験はとても大切だと思います。お客様の中にはクレームを言ってくる方もいます。そういった方に対する対応はとても大変なのですが、若いうちから社会の現実を知ることは貴重な体験なのではないでしょうか。

自由度の高い学校の文化祭は、「接客」という意識が低く自分たちだけで盛り上がっています。アルバイト経験がある子はしっかり仕事をしようとしているのですが、クラス全体のやる気がないので空気を読んで同じようにふるまっています。あとで話を聞くと案の定、どうすることもできなかったといいます。

「学校」というせまい世界の中だけで勉強や部活だけやっていればいいという生活を、小中高と合計12年間も続けます。4年生の大学に入れば16年です。

根拠のない自信満々な子がたくさんいます。大学入試や就職などの志望理由書や面接の対策をすると、その子は少しずつ現実がわかってきます。

世界の有名大学の入試も社会の中でうまくやっていけるかを問われるものがたくさんあります。人間は社会の中で生きています。「勉強だけできればよい」という意識では社会の中でうまく生きていけないという現実を、小さいころからしっかり教えてあげるべきだと思います。

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